美しい町、バーミヤン。
岩の大地のくぼみが緑で満たされていて、小さい箱庭の様な姿だった。
その岩に刻まれている仏教遺跡へ向かった。
かつてタリバンに爆破された大小のブッダは、
現在、修復作業の真っ最中。
膨大な破片をあつめてつなぎ合わせる作業が行われているという。
しかし、仏塔(崖の中)には6ドル払えば案内してもらえる。
大ブッダの目線から町を眺める。
本来、大ブッダの中を見た後は、崖の前の道を歩いて小ブッダへと向かうのだが、ここは嗜好を変えて崖の上にアタック。
崖の上には、荒涼としたむき出しの大地。
自分の足音と風の音しか聞こえない。
まさに自分だけの自然。
遺跡の上で出会った兄弟。なぜこんなところにいるんだろう?
大ブッダの上にも遺跡がある。
いくつかの小さな谷を上り下りして、1時間半ほどの歩けば
小ブッダの上にたどり着く。
ここから下に降りるには、道のない谷間を滑り降りるしかない。
土まみれになって谷間から転がり落ちる。
後になって、崖の上はまだ地雷を全て撤去できていない場所だったと聞かされ肝を冷やす。
まだまだ自分の運も捨てたもんじゃない。
小ブッダも中に入ることが出来る。
こちらの方が作業の進み具合がはやいようだった。
お堂の中が焼き尽くされ、
ススだらけになった壁に靴の後を付けられている。
なんとも惨い。。。
一日中遺跡を楽しんだ。
この光景は本当に素晴らしい。
まさに理想郷だったのかもしれない。
「バーミヤンは安全だ。ぜひ日本の人にもっと観光に来てもらいたい。
帰ったら友人たちに伝えてくれ。」
町の人たちは口をそろえてこう話す。
バーミヤンはアフガンの中でもハザラ人というモンゴロイド系の人種の町。
アジア人なら、どこかほっとするような人たちばかり。
日中は電力供給が無く、食べ物もさほど美味くはないが、
皆、旅人にはとても親切で、
「ブッダまで一緒に行こう。案内してあげる。」
「宿がなかったら、おれの家に泊まればいい。」
「何かトラブルが起きたら、ここに電話しろ。おれが全部面倒見てやる」
など、文字で書くと胡散臭いことばかりだが、
みんなまっすぐな目で真剣に話してくれる。
なんて素晴らしい町なんだ。
シンプルな生活。暖かい声をかけてくれる町の人たち。
旅人が求めるものはこういう町なのかもしれない。
紛争で揺れるアフガニスタン。
その中に、世界が求めている優しさと素朴さがあふれる理想郷がまだ残されていた。
そんな気がした。
Photo Gallery:2009/08/03~Bamiyan/Afghanistan
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