「3食飯付き、無料で宿泊!」
トルコのイスタンブールの情報ノートにあったこの書き込みを見て、ミッションに追加。
タダで飯まで付いていて、しかも居たいだけ居ていいとの話し。
これは実態を確認せねばと、クラックドシュバリエから直接やって来た。
これが本当に面白い場所だった。
ハマとダマスカスの間にあるナビックという街でおろしてもらいそこからタクシーで30分ほど。
何も無い荒野というか砂漠の中を走っていく。
正直こんな所に何があるのかと思い、ちょっと不安にもなった。
おいおい、大丈夫か?
人は良さそうなんだけど、タクシードライバーを安易に信用しちゃいけないよw
と、こっちの不安もどこへやら。
到着してドライバーの指差す先を見た時には愕然とした。
あ、あれですか???
わかりにくいと思うけど、岩山の左上と中央やや右にある建物。あれです。
お迎えも無ければ、人っ子一人いない入り口。
ドライバーはさっさと帰ってしまって荒野に独りぼっち。
もうひたすらに登るしか無い訳です。
バックパックの重さは25キロを優に超えていて、
この時ほど荷物の重さに後悔した事はない。
荷物を背負って上がって来たなら早い方だと褒められた。
頂上にあったのは岸壁にそって建てられた、キリスト教の修道院だった。
迎えてくれたのも修道士だった。
部屋を訪ねると、
「あぁ、どこでも好きな部屋使っていいよ〜」
とあっさり。
この丘の斜面を利用して無数の宿泊施設があった。
100以上はあるという。
ものすごい所に建てちゃったね。。。
で、今でも増築作業が続いている。
暗いけれども、少し暖かかったのでここにした。
簡単なマットがあって、毛布はいくらでも貸してくれる。
しかもオイルストーブまで付いてる!
至れり尽くせりじゃないか!!
外見はこんな感じ。塀の下は断崖絶壁
なんかちょっとオシャレな感じもするよね。
このマルムーサは、シリア政府も支援しているキリスト教の修道院で、
1000年ほどの歴史があるとか。
昔から寄付によってコツコツと修道院が大きく作られて来ていて、
その伝統が今でも続いてる。
この修道院に来るものに与えられるのは全て無料。
食事、毛布貸し出し、洗濯、灯油、などなど、、、
これらは、シリア政府からの援助もあるが、
ほとんどは国内外からの寄付によってまかなわれていて、
またここを訪れる滞在者からも寄付を募っている。
あくまで寄付なので宿泊した人が絶対に払わないといけないことはない。つまり、
→払わなければタダ。ってこと。良心によって支えられる訳です。
ただし、寄付をしようがしまいが、ここでの生活は修道士たちとの共同生活。
いろいろとやる事が多いので、それを手伝っているだけでも、
彼らに取っては大きな手助け=寄付となっているようだ。
みんなが集まる集会所の用な食堂の様な棟
毎日の食事の準備も宿泊者のみんなで分担して行う。
洗い物、洗濯、修道院の改修、建設、水の確保、植樹、作物を栽培、収穫、、、、
やる事はたくさんある。
宿泊者はそのいずれか好きなものを選んで自発的に参加して、ここでの生活をしている。
ちなみに僕は食材の皮むき、カット、食後の洗い物をした。
空いた時間は修道院の裏に広がる丘を散策。
途中であった旅人と。ここからの景色は残酷なほどに広い。
枯れた川。雨が降ればまた水が流れるのだろうか?
修道院を見下ろせる丘の上にて。
丘の上には岩を削った小さな部屋が点在している。
こんなところでも泊って良いらしい。
でもやっぱり泊るならドアは欲しい所。
ここでゆっくりと神について学ぶ人も多く見られた。
岸壁の中の図書室なので窓は無い。
時間の感覚から切り離された様な不思議な空間だった。
とても静か。人の呼吸音がここからでも聞こえるほどだった。
キリスト教関連が中心。世界各国の言語の書籍があり、日本語の聖書もあった。
そして毎日午後7時ごろからミサが始まる。
最初は司祭が祈りを捧げて、聖書を読む。
その後みんなで輪になって座り、司祭が質問をしてくる。
「どこから来たのか? 何を求めているのか? 恐れはあるか?」
そんな感じだった。
とても静かで厳粛な空気の中、司祭の優しい問いかけの声が心地よかった。
すーっと心が落ち着く瞬間。
こんな感覚を求めて人は教会に来るのかもしれない。
そして10分ほどのメディテーションをして終了。
迷う事は無い。神はあなたと共に居る。
こんな言葉が素直に心に入ってくる空気だった。
そしてお待ちかねの夕食。
この準備もみんなでおこなう。
食器を渡して順番に食事を配って行く。バイキング形式。
みんな一緒にお祈りしてから食べるのかと思いきや、
それぞれ食事をもらった人から順番にさっさと食べだした。
その辺りはやっぱり欧米的なのかな。
細長いテーブルにみんなが並んで食べる。
今日一日何をしていたのか、お互いに語り合いながら。
ファラフェルとトマト、マメ、パンなど。
質素だけど、美味しかった。お茶が暖かくてほっこりした。
この後の予定もあってたった1泊だけの滞在だったが、
とても新鮮で不思議な体験が出来た。
ここには3ヶ月以上もボランティアで滞在している旅人も居た。
みな一応に穏やかで優しい人たちばかりだった。
犬もなんだか解脱してる雰囲気w
修道院の入り口。せまい。
これからこの階段を下って行く。
なんだよ!実はリフトがあるんじゃん!
バスの時間や買い物がある時は乗せてくれる。
タイミングよく荷物を載せてもらったので帰りは楽々だった。
また、奇跡的にも、ここに戻ってくる事があるならば、
今度はゆっくりと滞在して、自分を見つめ直してみたいとも感じた。
本当に戻って来れたなら、、、それはもう運命と呼ぶんだろうなぁ。。。。
今まで行った所も、そういう風に感じてれば良かった。
これからの全ての訪れるであろう街で、
かけがえの無い時間を過ごしているんだとしっかり感じれる様な旅にしたいと思った。
Photo Gallery:2010/02/08~Marmusa/Syria
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