2009年6月16日火曜日

「船の墓場、アラル海」


前日にカラ回りをしたウズベク人とニュージーランド人のカップルが、
「明日アラル海まで日帰りで行くよ」
と言い出したので乗っかった。
車1台100ドル(一人33ドル)で往復12時間。

最初に言うと、正直この方法が一番時間とお金の節約になったと思った。
ヒバから移動して、起点となる街で宿泊して、また車に乗って向かって…とすることを思えば、1台100ドルで1日で往復してくれるのだから。




朝6時に出て、アラル海に面した「元」港町ムイナックに到着するのが昼の12時過ぎ。
片道6時間。

ムイナックは本当に寂れた何もない街。売店を見つけるにも苦労するほど。
なぜそんな港町になってしまったのか…。それはアラル海を見れば納得する。





アラル海は「かつて海だった」場所。
それが40年以上前に干上がって今は砂漠と化しているから。

理由はアムダリア川の取水。


アラル海に注いでいたアムダリヤ川はウズベキスタンとタジキスタンをまたぐ、中央アジアで数えるほどしかない水源の一つ。
その両国が川から取水しているだけでなく、戦後トルクメニスタンが上流からカスピ海への運河を引いてしまったため、アラル海への水の流入が無くなり干上がってしまった。

つまり人工的に海を干上がらせてしまったのだ。


ムイナックには、かつて海だった場所に停泊していた船が現在は砂の上で赤茶けた姿をさらしている。






「俺は元々、船を牽引するボートを運転していたんだ。でももう引っ張りようがないよ」

 砂の港を眺めながら語る老人は今、ガイドとして訪れる観光客に我が町の昔の姿を語っている。




「そりゃぁ賑やかだったさ。港沿いには高級はホテルとかダンスホールが並んでいてな、ロシアからお金持ちがいっぱいきてたんだ。でももう何にも無くなってしまった。海が砂になったんだからな」

 水が無くなるにつれて港で生計を立てていた人も去って行った。ウズベク政府からの補助もほとんどないという。

「どうやって生きていけばいいんだって、ずっと言ってるけどな。どうにもならんよ。でもここがワシの街なんだ。そう簡単に出てないよ。」






一度干上がってしまった海はそう簡単には元には戻らない。
と言うのも、砂地に大量の水を流し込むと、地下の塩分が上がってきてしまい濃度の濃い塩湖になってしまうからだ。
それでは魚も育たない。

まだ水の残っているカザフスタン側では残されたアラル海の保護に乗り出しているというが、焼け石に水とはこのことかもしれない。

砂に埋もれた船に登る。潮風を切って水面を走っていたであろう舳先の向こうには、一陣の砂煙が立ち上がっていた。





Photo Gallery:2009/06/15~Muynak/Uzbekistan


↓ワンクリックお願いします。
にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿