K女史「電車の硬座で行ったらチェック無かったと思うよ」
この一言が、僕たちの光となった。
色々話を聞いたりしていると、どうもまず西寧に行かねばならない様子。
R君が「どうなるかわかりませんけど、とりあえず行ってみますわ」と先発。
吉報を待つ。
数日後、無事に「ノーパーミット」でラサに入境したとの報告が。R君によると…
~R君日記より転記(一部省略)~~~~~~~~~~~~~~~~~
成都からの夜行列車で西寧駅に到着すると、早速中国人のオヤジが「ラサ、ラサ」と声をかけてきました。
次の日、西寧駅に行くと昨日と同じオヤジに声をかけられ、近くのホテルのロビーで話を聞くことに。
どうやらチケット売り場にも私服警官がいるらしい。
オヤジによると、今日の夕方発の列車が警官が少なくていいらしい。うーむ。
怪しみつつもOKすると、チケットゲットから列車に乗り込むまでのディテールを話し始めた。
1:チケットは西寧→ラサを1枚と、ダミーの西寧→蘭州を2枚買う。
2:ヘルスカード(高山病とか大丈夫ですか的な書類)に偽の中国人名と住所を記入。
3:待合室の入り口で身分証とチケットのチェックがあるので、そこをダミーチケットとパスポートを見せ、東部行の待合室へ入る。
4:ころあいを見計らって、東部行の待合室から西部行の待合室へ移動する。
5:待合室から列車のホームまでのチェックではチケットのみ提示。
6:ホームから列車に乗る際に、ヘルスカードとチケットを一緒に出す。
(「ヘルスカードを出せ」とか言われて、言葉がわからないと悟られないたように)
あと、中国人に見えるようにヒゲを剃ること。
バックパックは中国人の良く持ってる袋に入れてもいいけど、俺のは小さいから大丈夫だってw
料金はオールインクルードで600元(最後にはなんだかんだいわれて700になったw)。
西寧→ラサ(特快)が硬座で226元。西寧→蘭州が硬座で22元×2枚。
…なんで、安いとは言えないけど、今思えばけっこうよくやってくれたし、こんなもんかなと。
オヤジも法を犯してやってるわけだしね。
まあ、実際に作戦開始してからはそれほど問題もなく事は進み、列車の到着が2時間遅れたくらいであっさりと乗車。
これから西寧に行ってラサに向かう方は、このオヤジに頼むといいと思います。
顔はチッチキチーの人(名前忘れた)に似てる。
乗車後も平和そのもので、車内でのチェックも無く無事ラサ駅に到着しました。
注意しなければならないのは、成都のkさんも言ってましたが、西寧を夕方出てラサに翌日の夕方に着く列車に乗ること。景色の良いゴルムド→ラサ間を昼に持ってくるためです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここまで詳細な情報をくれるR君に感謝!!
さらに、同じく先発していたH君は、上記の流れを一人でやってしまったとの話も舞い込んでくる。
(駅でチベタンにお願いしてチケットを買って来てもらって、ヘルスカードは適当な名前を記入→成功)
僕を含め、成都でぐずっていた連中も俄然奮起して、続々と西寧へ。
成都から西寧までは24時間。
僕は軟臥(一等寝台300元)でゆったり。学生のYボン君は硬座(座席83元)
すまんね若人。オッサンは人生最後の贅沢かもしれんねん。
軟臥は4人のコンパートメント。
さすがに高級だけあって乗り合わせた中国人客もなかなか品のいい人ばかり。
僕の目の前のベッドには、成都と西寧でレストランを経営しているというおじさん。
食堂車でY君とビールを飲んでいると、このおじさんが登場。
Y君は中国語が堪能なので、あれこれ話をしている内におっさんが
「今夜うちのレストランに来なさい。宿までも送ってあげよう」と言うことに。
西寧到着後、約束通りに宿まで送ってもらう。
西寧の溜まり場は「leteユースホステル」
先発していた、Tら君、Aタロー君、ベロニカ(日本語ペラペラスロベニアン)と合流。
夕方に、例のオッサンが経営するという、めっちゃ豪華なレストランへ押しかけて、火鍋とビールをたらふくごちそうになる。
こういった出会いは軟臥ならではか。
え~。…脱線したが、ラサ行きの話。
僕の場合…。初日は西寧駅に行くも、例の「チッチキチー」に巡り会えず。
不安になるが、翌日に行くとオッサンが声をかけてきて、R君の言うとおりの状況になる。
僕はR君と同じ600元。
最初に500元払い、成功報酬で100元で手を打つ。
列車の時間は夕方4時。1時間遅れて到着。難なく青蔵鉄道に乗車ー出発。
しかし!! 出発して10分でIDチェックが!!
「おお~い…、話が違うぞ…」
冷や汗が出る。
と言うのも、外国人がラサパーミット無しに乗車してることがばれた場合、途中のゴルムドで強制的に降ろされると言う話だったからだ。
万事休すか…と思い、パスポートを出そうとポケットに手を突っ込んだ時、車掌は僕を一瞥した後、何食わぬ顔で次の席へと行ってしまった。
「…セーフ!!!」
心の中で叫び、ほっと胸をなで下ろす。
とにかく、最大の難関を乗り越えたわけである。これはもう絶対に日本人とばれてはいけない。
ここからはまさに「忍の一文字」。
目の前のかわいいチベタンの子供がじゃれて来ても、にらみつけて追い返す。
ただでさえ暇な車内で「何か面白いことは無いか」ときょろきょろするチベタンと目を合わせないようにする。
(音楽でも…っとipodなんか出したら格好の餌食。カメラや日本語の本などもっての他)
飯はみんなが食べ終わった頃を見計らってそっと食べる。
トイレはみんなが寝静まった頃に済ます。
(トイレは2個くらいしかなく、並んで待っている時が一番しゃべりかけられやすい)
とにかく車内にいる間は一切言葉を発せず過ごす。
(深夜3時も回ると、さすがのチベタン連中もバタバタと倒れて行くので、その姿の撮影などは面白い。もちろんフラッシュはNG。)
そうこうしているうちに、ちょうどゴルムドを越えて標高5000メートル付近で日が昇る。
絶景なり。灰色の大地に付き立つ雪山。真っ青に光る近い空。これぞ青蔵鉄道の醍醐味。
その後は、車窓を眺めているだけでも結構楽しめるが、そこからまだまだ12時間。
とにかく絶対に人と触れあわない!!
24時間も声を出さなかったのは生まれて始めてのことだ。
そして夕方5時頃、ラサに到着。
駅を出てしまえばこっちのものだが、まだまだ警官がウロウロしているので、駅舎の撮影はタクシー乗り場くらいまでは我慢。
タクシーに乗ったら、24時間分の言葉が堰を切ったようにあふれ出して、全く通じてないのに一人で日本語をしゃべりまくり。
ノーパーミットでも宿泊できると聞かされていたユースホステルへとなだれ込んで、ミッションコンプリートとなった。
(僕はラサの滞在先は平措GHと東措GH、その他にもあるようだが)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
後日談。
◇西寧ーラサ行きは色々な電車が走っているが、北京発とか成都発といったように西寧が途中の駅である電車に乗るのが良いということ。車掌も疲れていてチェックが甘いのだ。
西寧発の列車の場合は、車掌も元気満々なのでもれなくチェックされてしまう。
僕がIDチェックをスルーされたのは、僕の席に西寧まで別の人が乗っていたためのようだった。とにかく灰色とか茶色とか、目立たなくて小汚い服を着てたので同化してたと思う。
◇僕たちのラサ滞在中、この情報を元にバラバラとノーパーミットの日本人がラサに入ってきたので、ラサ警察が西寧の警察に連絡したようで、例の手配師の「チッチキチー」はしばらく姿を隠したとの話も…。
なんか申し訳ない事をしたな。(もちろん後に続く旅人にも)
◇車内で日本人とばれたが、ラサまで来れたと言う人もいた。
◇西洋人丸出しの女史はゴルムドで降ろされた。同行していたAタロー君、Yボン君も降ろされ、ゴルムドから闇ランクルをチャーターして24時間かけて何とか到着した。1台1300元。青銅鉄道が通ってから闇ランクルは激減していて見つけるのに1日かかったとのこと。
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この一言が、僕たちの光となった。
色々話を聞いたりしていると、どうもまず西寧に行かねばならない様子。
R君が「どうなるかわかりませんけど、とりあえず行ってみますわ」と先発。
吉報を待つ。
数日後、無事に「ノーパーミット」でラサに入境したとの報告が。R君によると…
~R君日記より転記(一部省略)~~~~~~~~~~~~~~~~~
成都からの夜行列車で西寧駅に到着すると、早速中国人のオヤジが「ラサ、ラサ」と声をかけてきました。
次の日、西寧駅に行くと昨日と同じオヤジに声をかけられ、近くのホテルのロビーで話を聞くことに。
どうやらチケット売り場にも私服警官がいるらしい。
オヤジによると、今日の夕方発の列車が警官が少なくていいらしい。うーむ。
怪しみつつもOKすると、チケットゲットから列車に乗り込むまでのディテールを話し始めた。
1:チケットは西寧→ラサを1枚と、ダミーの西寧→蘭州を2枚買う。
2:ヘルスカード(高山病とか大丈夫ですか的な書類)に偽の中国人名と住所を記入。
3:待合室の入り口で身分証とチケットのチェックがあるので、そこをダミーチケットとパスポートを見せ、東部行の待合室へ入る。
4:ころあいを見計らって、東部行の待合室から西部行の待合室へ移動する。
5:待合室から列車のホームまでのチェックではチケットのみ提示。
6:ホームから列車に乗る際に、ヘルスカードとチケットを一緒に出す。
(「ヘルスカードを出せ」とか言われて、言葉がわからないと悟られないたように)
あと、中国人に見えるようにヒゲを剃ること。
バックパックは中国人の良く持ってる袋に入れてもいいけど、俺のは小さいから大丈夫だってw
料金はオールインクルードで600元(最後にはなんだかんだいわれて700になったw)。
西寧→ラサ(特快)が硬座で226元。西寧→蘭州が硬座で22元×2枚。
…なんで、安いとは言えないけど、今思えばけっこうよくやってくれたし、こんなもんかなと。
オヤジも法を犯してやってるわけだしね。
まあ、実際に作戦開始してからはそれほど問題もなく事は進み、列車の到着が2時間遅れたくらいであっさりと乗車。
これから西寧に行ってラサに向かう方は、このオヤジに頼むといいと思います。
顔はチッチキチーの人(名前忘れた)に似てる。
乗車後も平和そのもので、車内でのチェックも無く無事ラサ駅に到着しました。
注意しなければならないのは、成都のkさんも言ってましたが、西寧を夕方出てラサに翌日の夕方に着く列車に乗ること。景色の良いゴルムド→ラサ間を昼に持ってくるためです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここまで詳細な情報をくれるR君に感謝!!
さらに、同じく先発していたH君は、上記の流れを一人でやってしまったとの話も舞い込んでくる。
(駅でチベタンにお願いしてチケットを買って来てもらって、ヘルスカードは適当な名前を記入→成功)
僕を含め、成都でぐずっていた連中も俄然奮起して、続々と西寧へ。
成都から西寧までは24時間。
僕は軟臥(一等寝台300元)でゆったり。学生のYボン君は硬座(座席83元)
すまんね若人。オッサンは人生最後の贅沢かもしれんねん。
軟臥は4人のコンパートメント。
さすがに高級だけあって乗り合わせた中国人客もなかなか品のいい人ばかり。
僕の目の前のベッドには、成都と西寧でレストランを経営しているというおじさん。
食堂車でY君とビールを飲んでいると、このおじさんが登場。
Y君は中国語が堪能なので、あれこれ話をしている内におっさんが
「今夜うちのレストランに来なさい。宿までも送ってあげよう」と言うことに。
西寧到着後、約束通りに宿まで送ってもらう。
西寧の溜まり場は「leteユースホステル」
先発していた、Tら君、Aタロー君、ベロニカ(日本語ペラペラスロベニアン)と合流。
夕方に、例のオッサンが経営するという、めっちゃ豪華なレストランへ押しかけて、火鍋とビールをたらふくごちそうになる。
こういった出会いは軟臥ならではか。
え~。…脱線したが、ラサ行きの話。
僕の場合…。初日は西寧駅に行くも、例の「チッチキチー」に巡り会えず。
不安になるが、翌日に行くとオッサンが声をかけてきて、R君の言うとおりの状況になる。
僕はR君と同じ600元。
最初に500元払い、成功報酬で100元で手を打つ。
列車の時間は夕方4時。1時間遅れて到着。難なく青蔵鉄道に乗車ー出発。
しかし!! 出発して10分でIDチェックが!!
「おお~い…、話が違うぞ…」
冷や汗が出る。
と言うのも、外国人がラサパーミット無しに乗車してることがばれた場合、途中のゴルムドで強制的に降ろされると言う話だったからだ。
万事休すか…と思い、パスポートを出そうとポケットに手を突っ込んだ時、車掌は僕を一瞥した後、何食わぬ顔で次の席へと行ってしまった。
「…セーフ!!!」
心の中で叫び、ほっと胸をなで下ろす。
とにかく、最大の難関を乗り越えたわけである。これはもう絶対に日本人とばれてはいけない。
ここからはまさに「忍の一文字」。
目の前のかわいいチベタンの子供がじゃれて来ても、にらみつけて追い返す。
ただでさえ暇な車内で「何か面白いことは無いか」ときょろきょろするチベタンと目を合わせないようにする。
(音楽でも…っとipodなんか出したら格好の餌食。カメラや日本語の本などもっての他)
飯はみんなが食べ終わった頃を見計らってそっと食べる。
トイレはみんなが寝静まった頃に済ます。
(トイレは2個くらいしかなく、並んで待っている時が一番しゃべりかけられやすい)
とにかく車内にいる間は一切言葉を発せず過ごす。
(深夜3時も回ると、さすがのチベタン連中もバタバタと倒れて行くので、その姿の撮影などは面白い。もちろんフラッシュはNG。)
そうこうしているうちに、ちょうどゴルムドを越えて標高5000メートル付近で日が昇る。
絶景なり。灰色の大地に付き立つ雪山。真っ青に光る近い空。これぞ青蔵鉄道の醍醐味。
その後は、車窓を眺めているだけでも結構楽しめるが、そこからまだまだ12時間。
とにかく絶対に人と触れあわない!!
24時間も声を出さなかったのは生まれて始めてのことだ。
そして夕方5時頃、ラサに到着。
駅を出てしまえばこっちのものだが、まだまだ警官がウロウロしているので、駅舎の撮影はタクシー乗り場くらいまでは我慢。
タクシーに乗ったら、24時間分の言葉が堰を切ったようにあふれ出して、全く通じてないのに一人で日本語をしゃべりまくり。
ノーパーミットでも宿泊できると聞かされていたユースホステルへとなだれ込んで、ミッションコンプリートとなった。
(僕はラサの滞在先は平措GHと東措GH、その他にもあるようだが)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
後日談。
◇西寧ーラサ行きは色々な電車が走っているが、北京発とか成都発といったように西寧が途中の駅である電車に乗るのが良いということ。車掌も疲れていてチェックが甘いのだ。
西寧発の列車の場合は、車掌も元気満々なのでもれなくチェックされてしまう。
僕がIDチェックをスルーされたのは、僕の席に西寧まで別の人が乗っていたためのようだった。とにかく灰色とか茶色とか、目立たなくて小汚い服を着てたので同化してたと思う。
◇僕たちのラサ滞在中、この情報を元にバラバラとノーパーミットの日本人がラサに入ってきたので、ラサ警察が西寧の警察に連絡したようで、例の手配師の「チッチキチー」はしばらく姿を隠したとの話も…。
なんか申し訳ない事をしたな。(もちろん後に続く旅人にも)
◇車内で日本人とばれたが、ラサまで来れたと言う人もいた。
◇西洋人丸出しの女史はゴルムドで降ろされた。同行していたAタロー君、Yボン君も降ろされ、ゴルムドから闇ランクルをチャーターして24時間かけて何とか到着した。1台1300元。青銅鉄道が通ってから闇ランクルは激減していて見つけるのに1日かかったとのこと。
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